起業したくてもできない、脳内起業家のあなたへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

起業家は英語でentrepreneur (アントレプレナー)。それに対して、wantrepreneur (ワントレプレナー)という言葉があります。これは ”want” と “entrepreneur” を掛け合わせた言葉で、日本語では「脳内起業家」と訳す人が多いようです。起業したいと思っていてもしない人、できない人を指すこの言葉。今回はこの言葉の具体的な意味と、どのようにすれば脳内起業家を卒業できるかを見ていきましょう。


起業家と脳内起業家の2つの大きな違い

entrepreneur-593352_1920

出典:Pixabay

脳内起業家はビジョンがなく、本当に起業がしたいわけじゃない

起業家は大きなビジョンを掲げ、目指しているものがはっきりしている。自分のビジネスアイディアに強い信念とこだわりを持っていて、大きなリスクを負ってまで実現したいと思っている。
一方、脳内起業家は「お金が欲しい」「成功したい」「社長になりたい」など、表面的な部分に憧れを抱いている。Entrepreneur.comでは「真の起業家はビジネスへの情熱と愛が原動力となっているが、脳内起業家は『起業家になりたい』という目標を原動力としている」と説明している。

 脳内起業家はアイデアがあっても行動にうつさない

起業家は失敗を恐れず、すぐにアイディアを行動に移す。「やる」と言ったことについてはやる。
一方、脳内起業家は成功している自分を妄想したり、起業に関する本ばかりを読んで終わったりする。いいアイディアがあっても、それを行動にうつさないため、結局何も達成できずにいるのだ。

さて、脳内起業家が何かわかったところで、どのようにすればそれを卒業できるのか見ていきましょう。上記1の「ビジョンがない」については自己分析などを通して本当にしたいことを確認するしかないと思うので、上記2の「行動しない癖」を克服する方法を紹介したいと思います。

2.行動できない人が脳内起業家を卒業するには?

出典:tableatny

本で勉強するのではなく、経験を積んで学ぶ

起業やビジネスについての本を読むのは大切なことだ。いい勉強になるし、起業のイメージがなかなか湧かない人にとってはいい情報源になる。でも何冊か本を読んで、だいたいイメージがつかめたなら、一度本で勉強するのをやめるときだろう。確かに「顧客獲得率」とか「貸借対照表
」など、ビジネスの細かい部分でわからないことは山ほどあるだろう。でも細かいことは起業してすぐは知らなくてもいいもの。本ばかり読んでいないで、とにかく経験を通して学んでいくことを心がけるのが大切だ。

ビジネスパートナーを待たずに、一人でできることを進める

「スタートアップはチームが命」というように、一人で起業するのはとても難しいことだ。確かにビジネスパートナーはいずれ必要になるかもしれないが、いいパートナーを探すのは難しいこと。そればかりにこだわってしまうと、なかなか前に進めなくなってしまう。ビジネスパートナーがいなくても、例えば顧客の話を聞いてみたり、自分にできない仕事があればフリーランスの人に仕事を依頼したりする。このように、たとえ一人でも、アイデアを前に推し進めていくことはできるのだ。

「時間がないから」はただの言い訳!

仕事をしながら起業を考えている場合、自由に使える時間が少ない。でもだからといって、何もできないわけではない。もしあなたがプログラマーで、新しいアプリを作ろうとしている場合、一日15分だけでも作業はできる。あるいはビジネスアイデアのヒアリングをしたい、と思っているなら、1週間に1人でも話を聞くことはできる。忙しくても、毎日少しずつ作業を進めていくことはできる。「起業」というととても大掛かりな作業だ、という印象を持ってしまうが、実は小さな作業の積み重ねだ。自分にある自由時間が限られていても、その範囲内でできることをどんどん進めていこう。

自分が恐れているものは案外怖くない

いいアイデアがあっても、実際に行動に移せない人は、何かを恐れている場合が多い。とくに多いのは、「失敗」を恐れている人。自分のアイデアが売れないかもしれない、と不安になるのは皆同じだ。でも失敗するのが怖いからといって、何もしなければ何もはじまらない。
「失敗」というととても嫌なものだと思ってしまうが、失敗をしたということは、「何がダメなのかを学べた」ということになる。そしてダメなものがわかれば、それ以外の部分に時間を割くことができるようになる。
このように、何かが怖くても、それを違う視点から見てみることで、案外怖くないことだとわかる。


素晴らしいアイデアがあるのに、ただの脳内起業家で終わってしまうのはとてももったいないことですよね。「行動する」というのは簡単そうで、意外と大きな壁だと思います。その壁を少しずつ乗り越えられるよう、どんなに小さな一歩でも前に進んでいきたいですね。

参考文献

Lean Startup Circle: 5 Ways To Stop Being a Wantrepreneur
Startups Venture Capital: Stop Being a Wantrepreneur — Just Fucking Do It
Entrepreneur.com: Are You An Entrepreneur Or a ‘Wantrepreneur?’
Mike Tandarich: Entrepreneur vs. Wantrepreneur

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントは受け付けていません。