シリコンバレーで「忍者」急増中!?大流行のクリエイティブな役職名
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今シリコンバレーのスタートアップを中心に、斬新でクリエイティブな役職名が流行っています。例えば、「Ninja(忍者)」「Wizard(魔法使い)」「Warrior(戦士)」。これらはすべて、アメリカの名刺製作会社が発表した急増加中の役職名ですが、何がなんだかわからないですよね… Ninjaはデベロッパー、Wizardはソーシャルメディアのマーケティング担当、Warriorはアナリストのことを指すそうです。他にもたくさんのユニークな役職名がありますが、今回はそんな面白い役職名のメリット・デメリットを見てみましょう。

1.役割なんて、線引きできない!柔軟性が命のスタートアップ

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出典:Pixabay

起業して間もない頃は、白黒はっきりさせるのが非常に難しい。例えば、一般的な会社では「カスタマーサポート」という部門があって、顧客対応はそのスタッフが行う。でもスタートアップだと、スタッフの人数が非常に少ないため、1人一役では回せないのが現実。お互いが忙しく、バタバタしている中、「これは私の担当じゃないから」と言って仕事を放置するわけにはいかない。柔軟に動かなければいけないのだ。だからあえて、一般的な役職名をつけないスタートアップがある。「カスタマーサポート」という名前だと、「顧客対応」という仕事だけに専念するが、「幸せマスター」と名前をつければ「人を幸せにするのが仕事」と抽象的なイメージで仕事ができる。その結果、形式にとらわれず、より柔軟な働き方ができる。

2.役職名は気持ちに直結!

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出典:Pixabay

多くのゲームには「称号」がある。最初は「見習い」で始まり、レベルアップしていけば「マスター」や「達人」などとついたりする。特にお金がもらえるとか特権がついてくるわけでもないが、それに達成感を感じる。

スタートアップのクリエイティブな役職名もこのような「称号」と同じ効果があると言われている。もちろん起業したばかりの会社だと、いい給料をあげることはできない。そのかわりに「スーパー忍者」とか「ジーニアス(天才)」と言った役職名をあげるのだ。スタッフのモチベーションをあげるいい方法といえる。
さらに、「スタッフ自身に役職名を決めさせる」というルールを持つ会社もある。「ターミネーター」がいたり、「第一印象スペシャリスト」がいたり、全員の個性が役職名に現れて楽しい職場になる。自分が名前をつけた仕事なのだから、愛着が湧いたり責任感が生まれたりする。役職名が変わると、気持ちも変わるのだ。

さて、ここまでプラス面を見てきたが、もちろんマイナス面もある。

3.役職名がはっきりしないと、その人の責任も曖昧に

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出発:Pixabay

「デジタル・プロフェット(デジタル預言者)」という役職名が実際にある。これからのトレンドを予想する人のことを指すそうだが、役職名からは実際に何が仕事なのかはっきりしない。そのため、その人のパフォーマンスが正確に評価しにくくなってしまう。上記1では「クリエィティブな役職名だと柔軟に働ける」ということを書いたが、役割がぼやけてしまっていることがマイナス要素になることもある。

スタートアップにとって「人材」とはとても重要なもの。現実的に考えて、価値のない人材にはお金も時間も割いてられない。「スタッフをクビにする」というのは極力避けたいことだが、時には必要だ。役職名と仕事内容がかけ離れすぎていると、そんな重要な時に客観的な判断がしにくくなってしまう。成果が出せていないスタッフを長期間雇うことは、スタートアップにとっては命取り。ユニークな役職名をつけたいなら、その人の役割もしっかり考えて文書として紙に書いておくといいだろう。

4.大手会社と商談する機会があった時に…

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出典:Pixabay

まだまだ若い会社にとって、大手と商談する機会は大チャンス。その後の会社の成長を大きく左右する瞬間だ。そんな時、自分のスタッフの役職名が「マスター・オブ・スマイル」だったら、どんな反応をされるだろうか。「ふざけてるのか?」と思われてしまえば、商談はうまくいかない。投資家に会う時もそうだ。あまりにもユニークな役職名が多いと、真剣ではないと捉えられてしまうリスクもある。

しかし、ユニークな役職名をつけた理由がしっかりあれば話は別だろう。例えば、会社のビジョンが「日本中の母親たちを笑顔にする」だったら「マスター・オブ・スマイル」という役職名にも納得できる。ユニークな役職名をつけるなら、それを会社の文化や価値観と結びつけることが大切だ。


私は「役職名はあまり大切じゃない」と思っていました。むしろ、「部長」とついただけで偉い気分になってしまったり、「社長」という肩書きの人にビクビクして話しかけられなくなったりしたら仕事に悪影響があると思っていました。でもやっぱり、そんなに単純な話ではないんですね…笑 私だったら、社内専用の面白い役職名と社外向けの真面目な役職名を使うと思います。皆さんはいかがですか?

参考文献

Forbes: The 21 Most Creative Job Titles
Kauffman: Title Inflation and the Rise of the Startup Ninja
Shortpress: The Small Business Owner’s Guide to Crazy Job Titles

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