意外と初耳!「グロースハック」という言葉の深い意味
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スタートアップ用語のほとんどは英語からそのまま来ています。「スタートアップ」もそうですし、「ピッチ」「ユニコーン」など本当に多くの言葉がカタカナ語です。ここまでくると、「スタートアップの話なら英語でも簡単にできちゃいそうだ!」と思いますよね。確かにすでに語彙が入っているので、例えば政治の話をするのよりは簡単でしょう。でも実際の英語を見てみると、日本語にはないニュアンスや意味があったりするんです。今日は中でも、「グロースハック」という言葉に注目して、英語ネイティブがどう使っているのか見てみましょう。それを知ることで、あなたももっと深い意味で「グロースハック」を捉えることができるでしょう。


1.本題に入る前にちょっと確認。「グロースハック」って?

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出典:Pixabay

グロースハックとは、あまりお金がかからずに素早く成長する方法を見つけ出すこと。有名なグロースハックの成功例は無料メールサービスのHotmail。ユーザーが獲得できず伸び悩んでいる時に、Hotmailから送られるすべてのメールの末尾に「P.S. I love you. Get your free e-mail at Hotmail.」(追伸:愛してるよ。無料e-mailはHotmailで。)と付け足した。それだけで1日になんと3,000人もの新規ユーザーが登録し始め、6ヶ月後にはユーザー数が100万人に。

このように何かをちょっとだけいじったり、付け足したり、変えたりしながら急速な成長ができないかを探っていくのがグロースハックだ。

2.「グロースハックをする人」って簡単に言える言葉じゃない!

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出典:Pixabay

もともとの英語では“growth hack” “growth hacking” “growth hacker”の3つの考え方がある。

この中で一番わかりやすいのは ”growth hacker” だろう。これは単純に「グロースハックする人」という意味。ただ気をつけてほしいのは、”growth hacker” というのはものすごく貴重な人材で、この肩書きを名乗れる人はごくわずかだということだ。だから自分のことを “I’m a growth hacker.” と紹介すると、相当な実績がない限り 「気取りすぎ!」 と思われてしまう。”Growth hacker” がよく使われるのは他人のことを指すときだ。

例)
”She’s an amazing growth hacker.” (=彼女は素晴らしいグロースハッカーだ。)
“We’ve got to find a growth hacker.” (=どうにかしてグロースハッカーを見つけなきゃ。)

真の “growth hacker” は何よりも成長に対して熱意を持っている。そしてデータを徹底的に分析し、それを元に成長につながるクリエィティブなアイデアを考え出す。さらに強い好奇心を持っていて、なぜ顧客が集まるのか、どうして顧客はサービスを使うのをやめてしまうのかなど、あらゆることに対し疑問を持ち答えを探し出す。なかなかいない貴重な人材だということも納得だ。

3.グロースハックはマラソンの中の1歩のようなもの

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出典:Pixabay

上記Hotmailの例。”P.S. I love you.” というメッセージを最後に付け足したのは、急速な成長を狙う上での1つの方法。その他にも、急速な成長を狙う方法はたくさんある。ブログを作ったり、ロゴの色を変えたり、フェイスブックのページを作ったり。このような1つ1つの方法のことを ”growth hack” という。実際に英語のなかでは:

例)

“Hotmail’s email growth hack is legendary.” (=Hotmailのメールのグロースハックは伝説的だ。)
“We should try this growth hack next.” (=次はこのグロースハックを試すべきだよ。)

ちなみに:

“Let me teach you three growth hacks.” (=グロースハックを3つ教えてあげるよ。)

と、最後に’s’をつけて複数形として使うこともできる。

4.あのフェイスブックでさえ…

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出典:Pixabay

一発目の “growth hack” で急成長できたら、それほど素晴らしいことはないだろう。でも、そんなケースはほとんどない。普通、様々な “growth hacks” を次から次へと試してみる。それからその結果をはかって、分析して、それが成功だったのか失敗だったのかを考える。そしてその結果を元に、次の “growth hack”を考えて試してみる。このサイクルを長期間にわたって回していくプロセス全体を指して “growth hacking” という。実際の英語の中では:

“We need to re-think our growth hacking strategy.” (=グロースハックの戦略を考え直さないと。)
“What’s your growth hacking goal for this quarter?” (=この四半期のグロースハックの目標は何ですか?)

というように「戦略」や「目標」など、長い目で見たコンセプトをいう時に使われている。

“growth hacking” には終わりはない。あの巨大なフェイスブックでさえ、”growth hacking” 専門のチームをおくほど、成長には限界がないのだ。


日本語の中では「グロースハック」と一つの言葉にまとめて使っていることが多いですよね。でも元の英語を見てみると、意外と細かいニュアンスや意味が含まれていることがわかったと思います。それを頭に入れておけば、「グロースハック」に対する考え方自体も変わってくるのではないでしょうか。特に、「急速な成長を狙うためには、長い期間をかけて様々な方法を試さなければいけない」というところがポイントだと思います。「急速」というと、なんとなく「一発で」という印象を持ってしまいますが、本当の「グロースハック」は常に続いている戦いなんですよね。

参考文献

Defining A Growth Hacker: Three Common Characteristics

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