「ユニコーン企業」ってなに?今さら聞けないスタートアップ用語
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スタートアップに関連する用語って、結構難しいですよね。ほとんどは外国で使われるようになって、それから日本に入ってくるのでなおさら意味をイメージしにくいものです。今日はそんな用語の一つである「ユニコーン企業」の意味と、実際の使用例からその背景を見ていきましょう。


ユニコーン企業って、なに?

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出典:Pixabay

ざっくり言ってしまえば、未熟ながらも大きな価値があると評価されたスタートアップのこと。細かく言うと、①上場前の非公開企業で、②評価額が10億ドル以上(約1250億円)という特徴がある企業がユニコーン企業と呼ばれている。

ユニコーンは伝説的な生き物で、実在はもちろんしない。しかしユニコーンは特別な力を持っているとされ、神秘的な生き物として大昔からあこがれの対象。とても貴重で稀なのは言うまでもない。そして未熟ながらも10億ドル以上の価値があるスタートアップも、ユニコーンのように手の届かないような存在。こちらも滅多にない存在で、このようなイメージから「ユニコーン企業」という用語が作られたのだろう。

今あるユニコーン企業で有名なのは、必要な時にすぐドライバーが見つかるUber、最近日本でも話題の民泊サービスのAirbnbや、写真などのファイルが開かれたら数秒後に自動削除されるSnapchatなどが挙げられる。

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ちなみに、カナダではテック系のユニコーン企業のことを「イッカク」(写真参照)と呼んでいるそう。クジラの一種で北極海に生息している。体長が約5メートルにもなるということで、角が一本という共通点はあるもののユニコーンよりもかなり体が大きい。期待の大きさや成長の可能性の大きさを表現しているのかもしれない。

「ユニコーン企業なんて、呑む時のゲームに使える言葉だ。」

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出典:Pixabay

外国ではお酒を大勢で呑む時のゲームとして、「〇〇という言葉が聞こえたら飲む」といったものが多い。(例えばハリーポッターの映画を見ながら飲んで、「魔法」という言葉をキャラクターが言ったら全員飲まなければいけない)もちろんこれは、呑む合図となる言葉の使用回数が多ければ多いほど面白い。

「ユニコーン企業」もそんな呑みゲームにできるくらい、たくさん使われているという意見もある。流行ってしまう前、ユニコーン企業は数えられるくらい少なかった。しかし、流行れば流行るほどその希少性が薄れてしまって、そもそもユニコーン企業とは言えなくなってしまった。さらにユニコーン企業ばかりちやほやされていると、「ユニコーン企業ではないスタートアップはダメな会社」という印象が生まれてくる危険性も指摘されている。

「ユニコーンのバブルが弾ける」

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出典:Pixabay

投資家からは大きな期待が込められていて、起業家からは憧れの存在であるユニコーン企業。でも最近、ユニコーン企業に対する危機感が静かに湧いてきている。ユニコーン企業はほとんどの場合テク系の企業で、最初の頃はかなり急激に広まり成長する。だからこそ一気に注目を浴びて多くの投資を集め、ユニコーン企業と言われるまでになる。しかし多くの場合、持続性にかける。最初の急激な成長を続けることができず、期待通りの結果にならない。それからさらに投資を求めても、集められる金額が大幅に減ってしまい、結局印象が悪くなる。つまり最初の期待が大きすぎて、それに応えられない。その結果、信頼が落ち、資金が集まらなくなり勢いが落ちる。負のスパイラルだ。

そんなリスクのあるユニコーン企業に対し、警戒心が高まってきている。投資家の投資意欲も落ちていき、最近は新しく誕生するユニコーン企業の数も少なくなってきている。「ユニコーンバブルが弾ける」というのも、このようにユニコーン企業に対する期待の薄れが背景にあるのだろう。


いかがでしたか?個人的には、「ユニコーン企業」というネーミングセンスが素敵だと思いました。カナダでは「イッカク企業」という言葉を使っているということで、「スコットランドだったらネッシー企業*っていうのかな?」とか色々と想像してしまいました。日本にも「ユニコーン企業」を言い表す独特な言葉があればいいのにな、と思ったんですけど、カッパとかツチノコとかしか思いつかなくて…「ツチノコ企業」なんていっても力が抜けてしまいますよね笑。

*実際の使用例は確認されていません(2016年3月現在)

参考文献

Business Insider: ‘Blood in the Water’ – 90% of the Billion-Dollar Unicorn Startups are in Trouble in 2016
Wired: Unicorns and Other Things We Must Stop Talking About in 2016
Fortune: The Unicorn List
Gerard Adams: Why Half of All Startup Unicorns Might Fail Within Two Years

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