プレゼンやピッチ成功の鍵!「声」の意外な大切さと発声のコツ5選
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起業を目指している人にとって、「いい第一印象を与える」というのはとても大切なことです。例えば身だしなみに気をつけたり、言葉遣いを意識したりする人は多いと思います。しかし、意外と見落としてしまうのが「声」です。実はいい第一印象を与えるのにとても大切です。まずは声がどれくらい大切なのか見ていきましょう。そして声を正しく発声する5つのコツを紹介していきます。


1.“Hello” の一言で第一印象が決まる

Two business men shaking hands

出典:드림포유

スコットランドで声と第一印象に関する実験が行われた。男女64人が “hello” と言っている声を録音し、それを320人の人に聞いてもらう、という内容だ。参加者は録音された声を聞いて、「信頼できる」「自信がある」「温かい人」など、声の持ち主の性格を評価するように指示された。すると、320人の参加者は同じ声に同じような評価をする、ということがわかった。”hello” というたったの一言でどんな性格なのか判断されてしまうのだ。
初めて顧客に会う時、投資家に向けてピッチをする時。自分が与えたい印象に合わせた声を出すと、いい第一印象を残すことができる。といっても自分のを聞くのは難しい。録音して、友達や家族に聞いてもらうことで、ベストな声を探すのがいいだろう。

2.「権力」の有無で声は変わる

CEO

出典:Pixabay

さらに別の実験では、声と権力の関係が研究された。100人を超える大学生が参加した実験で、まず学生の普段の声を録音した。その後新しい車を買う、という設定でロールプレイングをしてもらった。その際、学生は「権力のある客」あるいは「権力のない客」という二つの役がランダムに与えられた。「権力のある客」とは車に関する知識が豊富で、相場も理解している。そのためセールスパーソンに騙されることがない、という意味での「権力」だ。反対に「権力のない客」とは商品知識が全くなく、セールスパーソンの言うことに頼るしかない。驚くことに、「権力のある客」の役を与えられた学生は、自然と声が安定し、話し方に強弱がついたという。

逆に言えば、安定した声で強弱をつけて話せば、「権力がある」という印象を与えることができる。実は「鉄の女」とも言われるようになったあのマーガレット・サッチャー氏もボイストレーニングを経て「権力のある声」を作りあげて言ったという。以下2つの音声を聞き比べてほしい。

初期のサッチャー氏:

最盛期のサッチャー氏:

同じ人とは思えないほどの差だ。

3.声のトーンで自分の感情までもが左右される

Speaking

出典:Pixabay

もう一つ、最近の実験で明らかになったのは、声のトーンによって自分の気持ちを変えることができるということだ。この実験では、参加者に本の一節を音読してもらった。そしてそれを「嬉しい声」「悲しい声」にランダムにデジタル加工し、本人に聞いてもらう。参加者のうち、自分の声が加工されていることに気がついた人は16%程度。それ以外の人たちは加工されていることに気がつくことなく、その声の「感情」と同じ気持ちになっていったのだ。

これを応用すれば、例えばビジネスのアイデアをピッチする時、とても緊張しているとする。そこであえて明るい声を心がけて出せば、周りからの印象がよくなるだけでなく、自分自身も明るい気持ちになれる。そうすれば緊張も和らいで、素晴らしいピッチができるはずだ。

では声がいかに大切かがわかったところで、発声するときの5つのコツ見ていこう。

4.いい声を出すための5つのコツ

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出典:Pixabay

腹式呼吸
腹式呼吸をすることで、喉に負担をかけることなく美しい声を出すことができる。正しい呼吸法は息を吸うときにお腹が膨らみ、息を吐くときにお腹がへこむ。これを意識して、日頃から腹式呼吸のくせをつけておくといい。

姿勢を正す
上記の腹式呼吸にもつながることだが、姿勢によって発声のしやすさが変わってくる。よりはっきりとしている、強い声が楽に出せるようになる。立っていても座っていても、背筋を伸ばす。そして肩の力を抜いて発声することを心がけよう。

ゆっくり話す
特に緊張しているときや自信がないときは、話すスピードが速くなってしまう。話すスピードを落とすことで、相手が聞き取りやすくなるだけでなく、より自信と権力がある印象を与えられる。ベストなスピードは、例えば誰かに電話番号を教えているとき、相手が聞きながら数字を書き取れるくらい。ピッチやプレゼンの前は、言っている言葉をメモしているつもりで話す練習をすると効果的だろう。

裏声に注意
とくに接客の世界では「高い声=丁寧」というのが定着している。例えばコールセンターの担当者やアパレルショップの店員などに見られる傾向だ。しかしビジネスの世界では「低めの声」のほうが好ましい。より頼もしく、リーダーシップがあるという印象を与えることができるからだ。

水分補給をしっかりとする
コーヒーや炭酸飲料をたくさん飲む人は特に要注意。声帯は振動することで音を作り出しているが、喉が乾燥していると振動しづらくなり、いい声が出なくなってしまうのだ。一日を通して水をこまめに飲むようにしたり、とくに乾燥しやすい冬はマスクをつけて寝たりすると効果がある。


いかがでしたか?「声」がこれほど影響力のあるものだとは正直知りませんでした。でも早速毎日の生活で意識していきたいですよね。ちなみにあのアパレルショップの店員の「裏声」、私には到底出せる声じゃないので、使わない方がいいと知って少し安心しました。

参考文献;

NPR.org: You Had Me At Hello: The Science Behind First Impressions
NPR.org: How A Position Of Power Can Change Your Voice
Psychology Today: How to Improve the Sound of Your Voice
The Wall Street Journal: How to Train Your Voice to Be More Charismatic
Science: How to Change Your Mood, Just by Listening to the Sound of Your Voice

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