ブラジル人起業家が気がついた「夢を逃す方法」byベル・ペシ(TEDトーク)
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ブラジル出身の実業家、ベル・ペシ氏。MITを卒業し、シリコンバレーで成功を収めました。その後母国に帰り、現在は地元の人々の夢を支援する活動をしています。「ブラジルで最も影響力のある100人」や「ブラジルで最も尊敬されているリーダー10人」などに選ばれていて、ブラジルが誇るビジネスウーマンです。今日はそんなペシ氏がTEDで行ったスピーチを紹介したいと思います。「夢をダメにする方法」と変わった名前のスピーチですが、素敵なヒントがたくさん隠れているんです。


1.一夜の成功を信じる

programming

出典:Rachel Johnson

ITオタクが一晩でアプリを開発して、それが大ヒットして、一気に大儲けした、といった話。そういう話を聞くと、「あ、たった一晩で成功したんだ」とつい思ってしまう。でももっと深いところまで辿っていくと、このITオタクはそれまでに30のアプリを開発している。大学でも専門的にITを勉強して、修士号、博士号までとっている。これは決して「一夜の成功」ではない。それまで重ねてきた様々な努力があったからこそ、結果が出せている。「一夜の成功」なんて、存在しない。それを信じてしまうと、夢はダメになるのだ。

2.誰かが答えを見つけてくれると信じるpath

出典:Dave Gingrich

どんな時でも、助けてくれようとする人がいる。例えば家族や友人、ビジネスパートナーや恩師。「この道に進んだ方がいいよ」など、アドバイスをくれる。でもその道を進んだとしても、その先はたくさんの新しい道に分かれていて、最終的にどれを選ぶかは自分次第だ。確かに誤った道を進んでしまったり、転んでしまう時もあるだろう。でも人生の答え握っている人は、自分以外の誰もいないのだ。周りに頼らず、自信をもって自分の選んだ道を進もう。

3.成功が保証された時、休んでもいいと信じる

relaxation

出典:Chal Moos

最高のチームがいて、収益がどんどん伸びていて、何もかもうまくいっている時。そんな時、「ちょっと休んでもいいかな」と思ってしまう。確かに、うまくいっている時はある程度手を抜いてもそれなりの結果は出るかもしれない。でもうまくいっている時こそ努力をしなければならない。
ペシ氏は本を2冊書いている。1冊目の本が書きあがったときは、マーケティングにかなり力をいれて、大きなヒットとなった。2冊目を書きあがった時点ではすでに名もある程度は知られていたため、成功は保証されていたという。それでも彼女は、1冊目以上に売り込みに力をいれることを決意した。「『そこそこ』ではだめ。次の目標を目指して常に進み続けなければならない。」

4.失敗を人のせいだと信じる
oops

出典:David Goehring


「素晴らしいアイディアがあったのに、誰も投資してくれなかった」「いやー最高の商品開発したのにさ、誰も買わないんだよね」「んーやっぱり景気が悪いからさ…」このように、何かうまくいかない時に他人や周りの環境のせいにする人がとても多い。夢を実現するかどうかの責任は自分にある。確かに逆風が吹いていることもある。でも失敗したときは、何かしら自分にも非があるはず。それと正直に向き合わない限り、前に進むことはできないだろう。

5.夢だけを目指せばいいと信じる

climb

出典:Matt Kowalczyk

ペシ氏は、昔あるコマーシャルを見たという。そのコマーシャルではたくさんの仲間たちが一緒に山を登って、やっと頂上に着く。「やったー!」「着いた!」と感動し、喜び合う。その2秒後、お互い目を合わせて、「よし、じゃ降りようか。」となる。
人生は夢だけが全てではない。そこに辿り着くまでの道のり、それこそが人生だ。ペシ氏は次のように語っている:

「もちろん目標が達成できた時にはしっかり喜ぶ。でも成功した時の喜びは一時的に感じるもの。逆に人生はずっと続いていくもの。本当の意味で夢を実現するには、夢だけを信じていてはいけない。その夢を実現する過程を信じ、大切にしてはじめて意味のある夢になるのだ。1歩前に進むたびに学んだり、喜んだりできれば、その旅は1秒1秒、楽しめるものになるだろう。」


いかがでしたか。個人的には、一番最後の「人生は夢がすべてではない」という部分が印象的でした。「実業家は夢だけを目指してまっすぐ突き進んでいく」という印象を持っていました。でもそれだけではなく、その過程を楽しむからこそ意義があるんですよね。

参考文献

Bel Pesce: 5 Ways to Kill Your Dreams

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